2010年10月05日

昭和おでん食堂

Bonjour !

ブルターニュのパティスリーでスタージュ(研修)をしていた時代の晩秋のある日、一緒にアントルメの仕上げをしていたフィリップがラボの皆に向かって、

「よー、オレ昨日夕飯に何食ったと思う?」 (もしくは「なあ、僕昨日夕ご飯に何食べたと思う?」かも)

と嬉しそうに言った。

すぐ皆には答えが分かったみたいでしたが、皆がちょっと羨ましそうだったその答えは、POT-AU-FEU(ポトフ)でした。icon28

〈ポトフ〉って、小学生の時の給食メニューに書いてあって、昔から馴染みがある言葉だった。
出てくるものは、ウィンナーが入っている〈洋風おでん〉だったけれど。

フランス人の心の中におけるポトフの存在は、日本でいうおでん的な位置付けなのかも。

ああもうおでんの季節なのねぇ... 
ああもうポトフの季節なのねぇ... 

みたいな。

家でもたまにポトフを作ります。春キャベツの時期も美味しいし、冬はあったまるし。
塩漬けした豚の肩ロース肉をデサレ(塩抜き)して、タイムとホールのブラックペッパーを加えた水に入れてクルーゼの蓋をして2時間ほど煮込み、にんじんやかぶ、葱、小玉葱などと、別に火を通したじゃがいもとキャベツ、ソーセージを加えてさらに煮込む。
熱々にマスタードと挽きたて黒こしょう。
お野菜たっぷりだし、美味しいし、最高ですね。

さて、一昨日、昨日とうちは今シーズン初のおでんでした。
シンゴシェフはスジ肉やモツがあまり得意ではないので、昆布かつお出汁で、鶏の手羽元などを入れてわりと澄んだ感じのおでんになります。じゃがいもも入れちゃいけない。

私のベスト3は③板こんにゃく、②昆布(2日目以降)、①大根!ですが、アナナは③白はんぺん、②昆布(溶けそうなやつ)、①糸こんにゃくらしく、両手で糸こんをつかんでかなりワイルドに食べます。
シンゴシェフは意外に練り物好き。九州出身だからかなぁ。

他の食べ物が時代と共に洗練されていく中で、おでんはいつまでたってもお鍋でぐつぐつ、のおでんだなー、と思います。
コンビ二とか缶入りのおでんも存在するけど。
外国の人は、大根を煮た匂いが嫌いな人がけっこういるらしく、私の知り合いもコンビニでおでんを売り始めると店に入るのが苦痛だって言ってました。
確かに、おでん煮てると家中おでんみたいなにおいがする。
つわりの時はダメだったし。


カメラで寄っておでんの写真を撮ると、一杯飲りたくなっちゃう雰囲気。
燗酒じゃなくて、ビオワインだけど...。
演歌もかかってないけれど...。
ついでに祖母にもらった和裁の本の写真なんかを添えると...そこは懐かしい昭和の雰囲気です。
あたたかくて、ほっとする味。


どこかに勤めてたら、つい

「昨日の夕ごはん、なーんだ?」

と言いたくなるかもしれません。
昭和おでん食堂













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Posted byレストランPEPINat12:17 Comments(0) plat du jour
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