2011年03月31日

Salt & Pepper

Bonsoir !















ソルト&ペッパー。

17歳のときにSacrementoのアンティークショップで見つけて買ったものです。

手のひらにころんとおさまるサイズで、手描きの絵が可愛くて。

ぶたちゃんの顔はスッキリしたのが一つ穴のソルト、ちょっと不細工なのがペッパーで、それぞれしっぽがSとPっぽく描き分けてありました。

けっこう使いやすくて、実用的なところが良かった。



阪神淡路大震災の時、私は大阪にいて、学校の寮のベッドで「落ちる!」という強い意識で目が醒めたら、そこからさらにものすごい縦揺れが来ました。

そのあとはまわりの部屋の女の子達が部屋から飛び出してきて叫んだり泣いたりしている声と、部屋の中で色んなものが割れている映像を思い出します。

寮の壁にも階段にも亀裂が入っていた。

私の部屋も棚の上のものはみんな落ちて、部屋中こぼれたお醤油の匂いがした。

床の上で、ソルトのぶたちゃんは2つにぱっくり割れていました。


あの大震災も多くの方が犠牲になったり、辛い体験をして、そういうのを間近に見ていて私も辛かった。

今も色々思い出します。

そういうのがあるから今自分が不安定な感じがするのも分かる。





不細工なペッパーのぶたは今もここに残っています。

ソルトと対になっていないとなんとなく寂しいので、あのときから中に胡椒を入れることも無いまま、棚の手前にじっとしています。


辞書でsaltと引くと、

To spill the salt brings bad luck. (塩をこぼすと縁起の悪いことが起きる。)

と書いてありました。

でもあのとき割れたぶたちゃんには塩が入っていなかった覚えがあります。



もうひとつ、

Ye (=you) are the salt of the earth. (あなたがたは地の塩である。)

という文も。

新約聖書のことばだそうで、〈地の塩〉というのは社会の中堅となるべき健全な人たち、を意味するらしいです。




甚大な被害をもたらした大震災で(まだまだ震災の被害の連鎖は止まりませんが)、多くの人の心の中のある部分の価値観なども崩壊したような感が。

これからは、シンプルで、人の心に寄り添うような制度や、スッキリしてわかりやすくて安全なものが作られていくといいな、と思います。



復興の手がかりが、なるべく早くつかめますように...。

ただただ願うばかりです。

  

Posted byレストランPEPINat 00:51 Comments(0) about myself

2011年03月24日

苺ロール

Bonsoir !

最近苺にハマり中です。

ツイッターでお知り合いになった海野農園さんの苺を先日イベントで購入してから、かなり苺好き度が上がっている感じface05

いい素材が手に入ると....どうしてもお菓子にしてみたくなっちゃうんですよねー。

と、いうわけでここのところ続けて苺ロールつくってます。

まず、フレッシュの苺をミキサーでまわしてピュレにします。生地にもクリームにも使う。


生地はスポンジ生地を作るときと同様に卵とお砂糖を湯煎にかけて熱をつけてからしっかり泡立てる。
粉を数回に分けて加え混ぜ、苺のピュレを混ぜてプレートに流し、焼く。
オイル分が入らないけれど、苺のピュレのおかげでしっとり軽く焼きあがります。

クリームはカスタードクリームの要領で、牛乳をそっくり苺のピュレにして作ります。
卵黄とお砂糖を混ぜ、コーンスターチを加えたところに温めた苺ピュレを加えて混ぜ、再び鍋に戻して炊き上げる。
炊き上がりに水で戻したゼラチンを少し加えて氷水をあてて冷ます。
冷めたら少しのバターをポマード状にしたものと生クリームを立てたものを合わせて出来上がり。

冷めたシート生地にオレンジの果汁で作ったシロップをうち、クリームをのばして苺をカットしたものをのせ.....

くるくるっと巻きます。


この瞬間が快感ですねっ♪














巻く前↑

アールグレイ紅茶にもとても良く合いますface02

またロールケーキお菓子教室も開催予定(?)ですので、ふるってご参加ください。

苺ロールは、苺の時期だけ!

今のうちに是非食べにいらしてくださいicon06  

Posted byレストランPEPINat 20:07 Comments(0) pepinについて

2011年03月18日

いただきます

Bonsoir!

今日のお客様の話。

たまに来てくださる男性のお客様です。


「僕はね、」とテーブル席からシェフに話しかけてくださったそう。


「僕の為だけに作ってくれる、っていう時にお店に来るのが好きなんだ。外から見て、ああ、暇そうだなって思うとお店に入ってみる。そうするとね、お店の人も『ああ、よく来て下さいました』って感じで嬉しそうに接してくれる。
逆に繁盛店なんかに忙しそうなときに行くと、『なんでこんな時に来たんだ』って顔されるからね。」



食事と一緒にカラフのワインを美味しそうに飲みながら、


「ねえ、『いただきます』って何で言うのかって話、したかな?」

(シェフ)「いいえ」

「『いただきます』っていうのはね、色んな〈生き物の命〉をいただくから、それらに対して、『あなた達の命を食べて、いただいて、 私は生かしてもらいます。』っていう意味なんだよ。」

「ところで今日僕が食べたものの中で、ひとつだけ生き物じゃないものがある。それは何かわかる?」

(シェフ)「塩、ですかね?」

「さすが料理人!そう、塩なんだよね。塩っていうのは、地球が出来た時からあって、46億年もの間、ずっと塊りが水に溶けて  海水になったり、蒸発したり、結晶したりまた溶けたりしているものだからね。南アフリカでは岩塩とかすごく価値があった時代 があって、同じ重さの金と交換したりしたそうだよ。最近では、海からとれるものってわかってるけど、だから塩がとれる所は栄えてきたんだよね。塩ってそういうものなんだよね。」


食事を終えて、

「美味しかったよ」

と気持ち良さそうにお帰りになったそうです。




そんな話を帰ってきたシェフから聞いて、なんか色々考えさせられたし、ちょっと救われた気がしました。



自然って偉大で到底コントロールできるものじゃない。

長い長い地球の歴史のなかの本当に塵のようなこの一瞬。

でもだからこそ、人との繋がりとか、おいしいものを大切な人と食べたときの気持ちの共有とか、命があることとか、奇跡に感じます。

時間はいつも前に向かって進んでいるから、気持ちも前に向かっていかないといけないんでしょうね。



今日は、お昼に藤沢から来てくださったお料理教室の生徒さんだったお客様や、お店に置いた義援金箱に自分のお財布からお金を入れてくれた中学生の女の子の表情、などに本当に色んな感動をいただきました。



ありがとうございます。


そういう気持ちも、いただきます。

  

Posted byレストランPEPINat 00:26 Comments(0) pepinについて

2011年03月09日

ホワイトデーに♡

Bonjour ! 

先日青葉シンボルロードの花と緑のイベントで、オーガニックレモンを買ってきたので、さっそく皮と果汁を全部使った焼菓子を作りました。

レモンケーキ、好きです❤。

ちっちゃい頃から、パン屋さんのカウンターに置いてあったようなレモン型のころっとしたケーキが好きで、自分でも色々作ってみたのですが、ちゃんとレモンの香りをさせるには、皮をすりおろして入れたいし、レモンの酸味を出すには、レモンの果汁を入れて作るのがいいな、と。

皮をすりおろして入れるとなると、やっぱり無農薬のものがいいですねemoji50

と、いうことで、オーガニックレモンを見つけると、ついついレモンケーキを作ってしまう。

卵とお砂糖を湯煎にかけて、もったりとするまで泡立てたら、レモンの皮と果汁、泡立てた生クリームを少し、あとふるった粉を加えてさっとあわせ、型に入れて焼きます。

焼いている間もいい香り。

今回のレモンは、通常サイズよりひとまわり大きくて、果汁も2個分くらいありました。















もうすぐ、ホワイトデーなので、詰め合わせを作ろうかな、と思い、オーガニックの紅茶を挽いて加えたフィナンシェ(卵白ベースの焼菓子)も焼きました。

あとは、オリジナルレシピのサブレ2種類。(くるみ・チョコチップ)

春らしくピンクのもしゃもしゃに包まれてicon06












すでにいくつかお買い上げいただいたので、残りはあと数箱ですが、今年のホワイトデーには、こんな焼菓子セット、いかがでしょうか?

甘くさわやかな香りの詰め合わせですicon06emoji49  

Posted byレストランPEPINat 12:35 Comments(2) pepinについて

2011年03月08日

キッシュ ロレーヌ

Bonsoir !

お休みなので、今日はキッシュを作ってみました。

Quishe lorraine、キッシュロレーヌ。(ベーコン、グリュイエールチーズ入り)

キッシュは基本的に深型が好きです。

自由が丘の紅茶専門店で働いていたときも、ランチのキッシュセットのキッシュは深型だった。


小さい頃、母がお菓子教室に通っていたことがあり、パイ生地を使って家で作ってくれたキッシュがすごくおいしかった覚えがあります。

母のキッシュは縁がなみなみとした底取れの中深タルト型で、のした生地を型に敷きこんだあとに出るロニュール(余り生地)に、溶き卵をさっと塗って、グラニュー糖をふって焼いたおまけパイが姉と私の大好物でした。
(前にも書いたかもface02
母がそのおまけパイを作るときは、敷きこんだ余りをたたんで伸ばしたりするのではなく、余白~みたいな部分をそのまま小さな抜き型でぽんぽん抜いていたので、生地の層がつぶれずにちょうどポポロンみたいに膨らんで、軽くておいしかった。

自分でお菓子を作るようになって、パイ生地(=フィユタージュ)を使ったあとに出るロニュールというのは、一度軽く重ねて形を整えて折り、休ませてからまたのして小型パイなどに使う、という専門学校的な知識がついて、自分でフィユタージュを折ってパイを作るときに、たたんだ余り生地で母のと同じ様なおまけパイを作ったら、ぎゅっとしていておいしくなかった覚えがあります。
それで、どうしてだろう、と考えて、そうか!と。

たまに母がチョコレートケーキなど作っているのを見ると、おいしさの理由をほかにもたくさん発見することがよくあります。
あまりプロっぽくないところに秘密があるみたい。

どうしても、お店とかで生地を仕込んで「商品」とか「製品」を作っていると、無駄のないように分割、とか、2次製品としてちゃんとした形になること、とかを考えてしまいがちです。

大体300gで敷きこむ事のできるタルト型用に、できあがり500gぶんだけ生地を仕込むパティシエはあんまりいない。
 
無駄が多いし。

大体330~350g分割で10台分仕込んで、とか(規模の大きいところはもっともっといっぱい!)でしょうか。
そうして出た余り生地をためておいて合わせて使ったりもする。



でも、300gで敷き込めるタルト型に、500gくらいの生地をゆったり伸ばして敷きこむと、余りは出ても、なんか仕上がりがゆったりします。

商売商売した感じでマニュアルに沿って1から作るお料理と、ハッピーな人がその日の気分に合わせてアドリブも交えながら作るお料理もやっぱり味が違う気が。

鷹揚さ、とか、細やかさ、とか、(もちろん愛情も)みんな味に出るんでしょうね。



それでも商売をやっていれば、どこかの位置でバランスを取ることになるのですが、たまに今日みたいに、ゆったりした気分で馴染んだレシピのお料理を作る、というのはけっこう満たされます。



そういうのも、パトリスさんに教わったface17


作るのもそうですが、食べての側で言っても同じように、苦手な人と無言で食べるのと、気のおけない友達としゃべりながら食べるのと、好きな人と好きな音楽聴きながら食べるのとでは、同じ食事の味も全然違う感じになりますね、きっと。


おいしい、は幸せ、だなぁ~と、しみじみ思う今日この頃です。


  

Posted byレストランPEPINat 01:19 Comments(0) pepinについて

2011年03月03日

焼菓子仕込み

Bonjour !

昨日は昼からアナナを母にお願いしてお店に出ました。
(これからそんな日も増えていくんだろうな)

お昼の営業後にここぞとばかりに色々仕込む。

ジェノワーズ生地、クッキー生地2種類、オーガニック紅茶のケーキなど。
































最近、お菓子を作る作業がやけに楽しいです。

  

Posted byレストランPEPINat 16:52 Comments(0) labo

2011年03月02日

雛祭り

Bonjour !

3月3日は雛祭り。

でも昨日がお休みだったのでうちでは昨日お雛様パーティーしちゃいました。
と言ってもお寿司とはまぐりのお吸い物、あとケーキを用意して家族みんなで食べただけですがface02face02face02face02face02face02emoji49

子供が食べやすいように今回はいいネタを用意して手巻き寿司に。

静岡はふつうにいいネタが買えるから素晴らしいなぁ、と思います。

昨日は初鰹も鮪も蛸も鯵もみんなモノが良かった。
(あと用意したのは、烏賊とイクラと納豆と...私が卵6個で作った出し巻き!)

ケーキはアナナの好きなフルーツ3種のロールケーキです。

中にはみかんのクリームとみかんの果肉。
上に苺とブルーベリー。

上から見ると赤、白、青のトリコロールです。(グリーンも入ってるけど)

















アナナは見た目のわりに甘い物はあんまり食べないのですが、ママのケーキだけは食べる。















元気に育ってくださいなface02icon01  

Posted byレストランPEPINat 10:50 Comments(0) event