2011年03月18日

いただきます

Bonsoir!

今日のお客様の話。

たまに来てくださる男性のお客様です。


「僕はね、」とテーブル席からシェフに話しかけてくださったそう。


「僕の為だけに作ってくれる、っていう時にお店に来るのが好きなんだ。外から見て、ああ、暇そうだなって思うとお店に入ってみる。そうするとね、お店の人も『ああ、よく来て下さいました』って感じで嬉しそうに接してくれる。
逆に繁盛店なんかに忙しそうなときに行くと、『なんでこんな時に来たんだ』って顔されるからね。」



食事と一緒にカラフのワインを美味しそうに飲みながら、


「ねえ、『いただきます』って何で言うのかって話、したかな?」

(シェフ)「いいえ」

「『いただきます』っていうのはね、色んな〈生き物の命〉をいただくから、それらに対して、『あなた達の命を食べて、いただいて、 私は生かしてもらいます。』っていう意味なんだよ。」

「ところで今日僕が食べたものの中で、ひとつだけ生き物じゃないものがある。それは何かわかる?」

(シェフ)「塩、ですかね?」

「さすが料理人!そう、塩なんだよね。塩っていうのは、地球が出来た時からあって、46億年もの間、ずっと塊りが水に溶けて  海水になったり、蒸発したり、結晶したりまた溶けたりしているものだからね。南アフリカでは岩塩とかすごく価値があった時代 があって、同じ重さの金と交換したりしたそうだよ。最近では、海からとれるものってわかってるけど、だから塩がとれる所は栄えてきたんだよね。塩ってそういうものなんだよね。」


食事を終えて、

「美味しかったよ」

と気持ち良さそうにお帰りになったそうです。




そんな話を帰ってきたシェフから聞いて、なんか色々考えさせられたし、ちょっと救われた気がしました。



自然って偉大で到底コントロールできるものじゃない。

長い長い地球の歴史のなかの本当に塵のようなこの一瞬。

でもだからこそ、人との繋がりとか、おいしいものを大切な人と食べたときの気持ちの共有とか、命があることとか、奇跡に感じます。

時間はいつも前に向かって進んでいるから、気持ちも前に向かっていかないといけないんでしょうね。



今日は、お昼に藤沢から来てくださったお料理教室の生徒さんだったお客様や、お店に置いた義援金箱に自分のお財布からお金を入れてくれた中学生の女の子の表情、などに本当に色んな感動をいただきました。



ありがとうございます。


そういう気持ちも、いただきます。

いただきます


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Posted byレストランPEPINat00:26 Comments(0) pepinについて
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