2010年09月16日
アラビアン・ナイトの香り
Bonjour!
今月から、着物の着付け教室に通いはじめました。
母が結婚した頃は、誰でも箪笥を着物でいっぱいにして嫁に行ったものだと聞き、ビックリ!
30~40年でずいぶん着物文化には変化があったものだと思いました。
私も去年娘の七五三のときに着物を着るまで、自分の七五三と成人式にしか着たことがありませんでした。
祖母や母が何かにつけて
「着物着るんだったらいい帯がたくさんあるわよ
」
と言ってくれていたので、夏のはじめにとりあえず浴衣の着付け教室にいってみたら、これがけっこう楽しい。浴衣でも、自分で着るとちょうどいい締め具合にできたり、好きな帯の締め方で変化を楽しんだり..
祖母が
「藍染の着物っていうのは身体にもいいのよ」
と教えてくれたり、聞いてみると、色々な着物についての知識、センス、こだわり話が出てくる、出てくる(黄八丈でみかん食べちゃいけない、とか)。
今回私が着付け教室に行くといったら、暑い夏のさなかに箪笥から色々ひっぱりだして素敵な着物や帯、反物、帯締めなど見せてくれました。
今回は母の小紋の丈をのばしてもらって参加することにしました。もともとは戦後反物が手に入りにくい次代に祖母が曾祖母にたのんで買った白い反物を、紅型様の染めに出して祖母が縫ったものです。
帯締めは祖母の妹、つまり母の叔母がつくったもの。
見せてもらった着物には、曾祖母が織った反物からつくられた着物なんていうのもあり、昔の人のたしなみや普通に身についていた手技のレベルの高さにはただただ尊敬してしまいます。
むかし、「つるの恩返し」を読んだとき、機織りをするということ自体に感心していたけれど、実はポイントとしては、部屋にひとりで籠もりきりになって一晩で素晴らしい反物を織り上げることとか、つるが自らの羽を織り込んで機織りをしているというところにミステリアスな面があるんじゃないかと思うようになってきました。機織り機自体はおじいさん、おばあさんの家にあったわけですから...。
昔の人はそういうことが生活の一部だったんだな、と思うと現代の暮らしは本当に忙しい。自分の着るものを布から織り上げるなんて、なかなかできることじゃなさそうです。
新しい着物を買わなくても、母や祖母の着物を少しずつ直したりしていくほうが自分にとっては楽しめそう。ストーリーがあるものを身につける喜びがあります。小物もそれにあわせたものが一通り、二通りいやもっと揃っているし、メンテナンスをきちっとするのも勉強です。
着物の小物や帯を合わせるセンスについては、少しずつ勉強していくしかなさそうですが。
さて、お教室用の一揃いをこれまた祖母から譲り受けた箪笥に仕舞う段になって、防虫剤を入れなければ、と思い買ってきたのが『樟脳』(しょうのう)です。ウィキペディアで検索したら、クスノキなんですね、原料!カンファーだ!!
封をきると、すうっとした爽やかな香り。防虫剤~っていう匂いではなく、ゆかしい森林の香りです。
ほんとの樟脳は、しまっていた着物を着る前に少し干すだけでいいそうですし、この香り自体嫌ではありません。
アラビアン・ナイトのシンドバード(シンドバッド)の回や、そのほかの話にもよく登場する樟脳、大体は教皇(カリーファ)への献上品としてだったり、市場で高値で取り引きされる品として出てくるのですが、
「南京豆ほどの粒の樟脳...」なんて書かれていたりします。それだけ結晶体としての純度の高さが質を決めるものなんでしょうね...。
アラビアの、古の高貴な人々が珍重していた香り。
その時代にシルクロードを渡ってあちらからこちらへ、またはこちらからあちらへ渡ったものが、日本の着物文化に結びついている。
そんなことに感動してしまう今日この頃です。
今月から、着物の着付け教室に通いはじめました。
母が結婚した頃は、誰でも箪笥を着物でいっぱいにして嫁に行ったものだと聞き、ビックリ!
30~40年でずいぶん着物文化には変化があったものだと思いました。
私も去年娘の七五三のときに着物を着るまで、自分の七五三と成人式にしか着たことがありませんでした。
祖母や母が何かにつけて
「着物着るんだったらいい帯がたくさんあるわよ

と言ってくれていたので、夏のはじめにとりあえず浴衣の着付け教室にいってみたら、これがけっこう楽しい。浴衣でも、自分で着るとちょうどいい締め具合にできたり、好きな帯の締め方で変化を楽しんだり..
祖母が
「藍染の着物っていうのは身体にもいいのよ」
と教えてくれたり、聞いてみると、色々な着物についての知識、センス、こだわり話が出てくる、出てくる(黄八丈でみかん食べちゃいけない、とか)。
今回私が着付け教室に行くといったら、暑い夏のさなかに箪笥から色々ひっぱりだして素敵な着物や帯、反物、帯締めなど見せてくれました。
今回は母の小紋の丈をのばしてもらって参加することにしました。もともとは戦後反物が手に入りにくい次代に祖母が曾祖母にたのんで買った白い反物を、紅型様の染めに出して祖母が縫ったものです。
帯締めは祖母の妹、つまり母の叔母がつくったもの。
見せてもらった着物には、曾祖母が織った反物からつくられた着物なんていうのもあり、昔の人のたしなみや普通に身についていた手技のレベルの高さにはただただ尊敬してしまいます。
むかし、「つるの恩返し」を読んだとき、機織りをするということ自体に感心していたけれど、実はポイントとしては、部屋にひとりで籠もりきりになって一晩で素晴らしい反物を織り上げることとか、つるが自らの羽を織り込んで機織りをしているというところにミステリアスな面があるんじゃないかと思うようになってきました。機織り機自体はおじいさん、おばあさんの家にあったわけですから...。
昔の人はそういうことが生活の一部だったんだな、と思うと現代の暮らしは本当に忙しい。自分の着るものを布から織り上げるなんて、なかなかできることじゃなさそうです。
新しい着物を買わなくても、母や祖母の着物を少しずつ直したりしていくほうが自分にとっては楽しめそう。ストーリーがあるものを身につける喜びがあります。小物もそれにあわせたものが一通り、二通りいやもっと揃っているし、メンテナンスをきちっとするのも勉強です。
着物の小物や帯を合わせるセンスについては、少しずつ勉強していくしかなさそうですが。
さて、お教室用の一揃いをこれまた祖母から譲り受けた箪笥に仕舞う段になって、防虫剤を入れなければ、と思い買ってきたのが『樟脳』(しょうのう)です。ウィキペディアで検索したら、クスノキなんですね、原料!カンファーだ!!
封をきると、すうっとした爽やかな香り。防虫剤~っていう匂いではなく、ゆかしい森林の香りです。
ほんとの樟脳は、しまっていた着物を着る前に少し干すだけでいいそうですし、この香り自体嫌ではありません。
アラビアン・ナイトのシンドバード(シンドバッド)の回や、そのほかの話にもよく登場する樟脳、大体は教皇(カリーファ)への献上品としてだったり、市場で高値で取り引きされる品として出てくるのですが、
「南京豆ほどの粒の樟脳...」なんて書かれていたりします。それだけ結晶体としての純度の高さが質を決めるものなんでしょうね...。
アラビアの、古の高貴な人々が珍重していた香り。
その時代にシルクロードを渡ってあちらからこちらへ、またはこちらからあちらへ渡ったものが、日本の着物文化に結びついている。
そんなことに感動してしまう今日この頃です。
Posted byレストランPEPINat15:55
Comments(2)
arome
この記事へのコメント
昔のお着物がたくさんあっていいですね!羨ましいです。
私も着付け、習っていましたよ。
若かりしころの花嫁修業として・・・
もうすっかり手も忘れてしまいましたが!(泣)
まただんだんと着物が注目され始めていますね。
着物をさっと着てそそーっと歩く姿にほんと、惹かれますね。
私も着付け、習っていましたよ。
若かりしころの花嫁修業として・・・
もうすっかり手も忘れてしまいましたが!(泣)
まただんだんと着物が注目され始めていますね。
着物をさっと着てそそーっと歩く姿にほんと、惹かれますね。
Posted by じゃすみん
at 2010年09月16日 20:22

じゃすみんさま
すぐ着れる状態のものは直した2着だけです...
一着直すのにけっこうかかるので...母との身長差が15センチなので、伸ばさないと!
はやくそそーっと歩いたりしたい(笑)
すぐ着れる状態のものは直した2着だけです...
一着直すのにけっこうかかるので...母との身長差が15センチなので、伸ばさないと!
はやくそそーっと歩いたりしたい(笑)
Posted by レストランPEPIN at 2010年09月16日 23:24