2010年11月01日

空想旅行

Bonjour !

今日はここ数日の寒さからあたたかい秋の日差しが戻って、とても気持ちの良い月曜日です。
もう11月なんて信じられないface08



最近、続けて3つほど、ヨーロッパのワイン畑をめぐる旅番組を観ました。

ひとつはイタリアのビオワイン農家の子育ての話。
あとはスイスのワイン列車の旅の番組とフランス・ブルゴーニュのぶどう収穫時期の様子のやつ。

うちはしばらくヨーロッパには行けないかなーなんて思っているので観てると余計に行きたくなる。

アナナが生まれる前の年にボルドー→サルラ→ブルターニュ→パリの旅をしたのが最後です。
この時は、シャンブルドットという個人経営のフランス風民宿?もしくはすごく安いホテルに泊まって、ワイン畑からワイン畑へと車でずーっとまわってすごく充実した旅でした。

ちょうどワイン用の葡萄がもうすぐ収穫できそうという時期だったので、どこの畑にもたわわに実ったぶどうが...!
生産者の方に品種別に味見をさせてもらったりして、すごくいい体験になりました。

ブルゴーニュの葡萄の収穫には、地元の大学生とかが、たっぷりのごはんとたっぷりの飲み放題ワイン目当てに毎年やってくるのだそう。
ごはん時には、全員同じ部屋で、一緒に食べる。
ごはんも、そこの奥さんなどが用意した地元の料理で、肉のパイ包み焼きとか3品ほど+フロマージュ+デザートがどかっと出ていた。
いいなあ。
私も行きたい。

ブルゴーニュのフロマージュリーの看板には「コンテ €10.90 1kilo」と書いてあった。
お高級なフロマージュリーでその値段だから、もっと安いところはもっと安いんだろうな。
しかも、フランスで食べる切りたてフロマージュはフレッシュな香りでさぞ美味しいことでしょう。

イタリアのビオワイン農家の子育ては、子供にちゃんと食育ならぬ“香り育”をしていて、子供が自分の家のワインの香りを嗅いで、

「薔薇の花を両手でほぐしたときの香り!」

と言っていたのが素晴らしいな、と思いました。
ワイン畑には、それぞれの葡萄の木の列の端に必ず薔薇の木が植えてあります。
葡萄より虫などに弱い薔薇がセンサーの役割をするのだそう。木が弱ったり、花がしおれたりしたら、その列の木をチェックすることになるのです。

そういう薔薇の花を実際手でほぐしたことがあるからこそ、その香りが頭の中の引き出しにちゃんと入っているんだな、と。
うちの子にも、色んな香りを嗅がせてあげたいなー。

子育てはワイン作りに似ている、とそこのお父さんが言っていた。
時にがっかりさせられたりすることもあるし、思いがけない喜びを与えてくれることもあるのだそう。
ワイン作りだけにとどまらず、なんでもそうなんだろうなー...と思いました。
そこのうちの下の女の子がすごくいい表情をしていて印象的でした。

あとスイス。スイスワインって飲んだこと無い。見た事も無い。

それもそのはず、国内の需要より供給量が少ないんだって。
石垣イチゴみたいに山の斜面を利用して作られた畑から出来るワイン、甘いのかな、辛いのかな(単純な表現だけど)?


みんな美味しそうなもの食べておいしそうなワイン飲んでるなぁー。

駅のアナウンスのフランス語を聞いただけでゾクゾクッとします。

いつかまたフランスにいける日が来るといいなー。
子供がいても貧乏旅行で大丈夫かな...face06
  

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2010年10月25日

夢の話

Bonjour !

相変わらず今日も喉が痛いです。

でも今日はせきは出るけど上り坂な感じ。今日は気温も高いし明日には良くなりそう♪

昨日は少し寝るのが遅くなったせいか、明け方に嫌な夢を見ました。

思想が違うテロ集団がいて、せまい会議室で同席することになり、空気は一触即発の事態。私は自分の拳銃を机の中に握って隠している。そうだ、アナナの胸の部分に防弾用の金属プレートを入れなくちゃ!うちにある御土産の灰皿がいいかな...

場面は飛んで、拳銃を撃っているところ。けど弾が出ない...。

で、目が覚めました。

手に残る拳銃の重み。妙にしっくりくる感触だった。
シンゴシェフに重みを伝えようとして、同じくらいの重さのものを探したら丸い紹興酒のボトルがぴったりな感じでした。

量ってみると、500グラム。そんなに軽いか?

映画『シェルタリング・スカイ』の冒頭で、前夜の夢の話をしようとするポートに妻のキットが「他人の夢の話なんて!」とたしなめるシーンがあり、それがけっこう印象に残っていて自分でもあまり他人には夢の話をしない方がいいのかな、なんて思うのですが、朝ごはんの時に話したりすることはあります。

「なんか関係があるようなものでも観たりしたんじゃない?」

「テレビのCMにちょっと出てくるバイオハザードの場面ぐらいかな」

シンゴシェフはフロイトとかを読むので、意識の表層にあるものより少しずれたところのものの方が夢に出てきやすいんじゃないかと教えてくれる。
パッと振り向いたときに途中で見える景色、とか。

もしくは身体に何らかの刺激が加わったせいで反応してそういう夢をみることもあるのだとか。

考えてみれば、ここのところ毎日アナナに蹴られながら寝ている私...。
私似の大足だから、けっこう痛いface24

でも、夢の中だと、テロ集団の人達の服装とか、拳銃の細部のつくりとか、それなりにちゃんとデザインできているから不思議。
じゃあ紙に描いてみてと言われても絶対無理ですが...。



おやつにアーモンドチョコレートを食べたらちょっと火薬の味がした。

...撃てなかった分の弾薬なのかも知れません。
  

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2010年10月18日

パーティーの準備

Bonjour !

ここのところ、毎朝アナナに蹴られて目覚めるのであまりすっきり気持ちよく起きられない...。
まあ、いつも寝起きがいいかというとそうでもないのですが。

心配した風邪っぽいのもなんとなく良くなったような。
ひとまず安心です。

さて、今日は家で明日のシンゴシェフのお誕生日パーティーの準備。

シンゴシェフのお誕生日には、毎年シュークルート風の煮込みを作ります。
フレンチ洋食系のレパートリーが少ないのと、お鍋でドンと出してゆっくり食べられるから。
もうかれこれ10年以上お誕生日にはそれです。

豚肩ロース肉を塩漬けにして、キャベツを粗く千切りにしたものをジュニパーベリーと粗塩とヴィネガーでもんで重石をして水気を取る、今日はそこまで。

買い物にいったら、今日ちょうどキャベツが安かった!ラッキーです。

小さいまな板でキャベツを大量に切るのは、けっこうめんどくさい。パラパラ落ちるし..face03

それをうちで一番大きなボウルに入れて、塩などで揉む。
で、うちで一番大きなざるに入れて、小さいクルーゼで重石をして、水気を切ります。


  











2~3時間経つと、1個半分のキャベツがぺったんこになっていていつもビックリしてしまう。

明日の朝、豚肉をデサレ(塩抜き)して、大きなお鍋に玉葱のスライスと豚肉、キャベツ、ベーコンと重ねて入れ、白ワインを回しかけて蓋をして煮込む。

2時間ほどしたら、じゃがいもを加えて、30分。
さらにソーセージ(今回はシャウエッセン)を入れて温める。

で、マスタードとコルニションを添えて食べます。

これは、私とシンゴシェフの師匠パトリス・ジュリアン氏のワイン本にのっているレシピで、かなり美味しいです。
本場のザワークラウトとかシュークルートの塩分がけっこう気になることがあるのですが、これなら調節が効くので、ちょうどいい感じで食べられます。

日本のキャベツの食感の優しさも、かえってこの方が好きなくらいです。

お酒も、わりと何でも合います。
シャンパーニュはもちろん、ビールにアルザスでも。

明日が楽しみ♪

  

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2010年10月10日

22年ぶりの再会

Bonjour !

昨日は大雨の中、アナナを連れて病院へ。
赤ちゃんが産まれた小学校時代の友人に会いに行ってきました。

プティバトーで可愛い雲のもようのロンパースを見つけたので、それをお祝いに購入。男の子だからグリーンのゴムをかけてもらう。


アナナもお世話になった看護師さんが何人かいるナースステーションで子供連れの面会受付表を記入し、病室に向かうと、初対面のご主人が。どうも、はじめまして。このたびはおめでとうございます。彼女は授乳室へ行っていて...

色々話していたら、

「いやーっ、ひーさーしーぶーりーっ!!」

懐かしい声。昔のしゃべり方そのまま、だけど赤ちゃん抱いて。

前に会ったときは、ランドセル背負って、青い帽子かぶって並んで歩いてる感じだったのに。
お互いに結婚して子供がいて、出産の時の話したり、赤ちゃんのお世話の話したりするなんて不思議。
22年という時はそんなに感じずに続きから話ができるっていうのは彼女も自分もそれなりに大人になったからかなあ。

赤ちゃんは、やっぱり可愛かった。
小さい足も、てのひらも。

視線をずらすと、...かなり大きくなったうちの子が!
こんなに大きくなったんだ、とあらためて思う。えらい、えらい。

「けど、あななちゃんは、...パパ似?」

それ、みんなに言われます。
だいたい10人中...10人に。

そうかなあ、私のちっちゃい頃にすごく似てるけど。
やんちゃが過ぎるところはシンゴシェフにそっくり!に、違いない。

シンゴシェフは小さい頃、こんな感じ。














可愛い。

んで、私は、こんな感じ。











アナナの去年の七五三の写真。











ね、私にそっくり。

しかし去年の七五三、大変だったなー。
おせんげんさんでも座布団集めだすし、ローマ写真館でも走りまわって記念写真も片足浮いてるし。

今年も着物だけ着せてみようかな...
やっと髪もふさふさしてきたから、女の子らしく見えるかもface17。  

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2010年10月06日

あの道の向こうに

Bonjour !

昨日は着付け教室のあとに、3人で静岡市美術館で開催されている〈ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ〉
に行ってきました。

印象派、特に後期の印象派(セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンあたり)が好きな私にとっては静岡でこれらの作品が観られるのはとても嬉しい。
前述したとおり、アナナ画伯はモネに影響されて今年のクリスマスプレゼントにもサンタさんにイーゼルをお願いするぐらいなので、ちょうどいいタイミングだな、と思い連れていくことにしました。

もう少しおりこうにしてくれるかと思ったのですが、親の期待を裏切ってぐにゃぐにゃモード。
学芸員の方が寄ってきて、
「ここでは静かにしてね。」
と言われてしまった。当たり前だ。

シンゴシェフは、わりと〈白か黒〉タイプなので、帰ろう、と言う。
いやいや、これで帰ったらもったいない、..もとい、子供がアートに触れる折角の機会を台無しにしてしまう。

というわけで、私がアナナを抱っこしてひとつひとつ絵の説明をささやきながら、時には逆に

「これは何の絵かな?」「何が描いてあるの?」

と聞きながらまわることにしました。
そうしたら、とっても楽しかったみたい。大好きなモネの絵も最後まで観てから再び戻って観たりしました。

アナナが好きだったのは、モネもそうですが、私が小学校の時の図工の教科書にも出ていたシャガールの《私と村》、《ヴィテブスクの冬の夜》など。幻想的な作品が好きなのかな。

ユトリロの作品は素晴らしかった。私が戻ってもう一度観たのは《シャップ通り》、これは私もビリオネアだったら欲しい。

あと、もし一人で行ってたらずっと観ていたかったのは、ゴーギャンの《ポン=タヴェンの木陰の母と子》です。

ブルターニュのパティスリーでスタージュをしていた時、ストライキで誰とも連絡を取れずに悩みと孤独感でいっぱいになりそうなある週末、労働者用の寮を抜け出して、一人で1泊の旅に出た行き先が、Pont=Avenでした。
ロリアンからやっと動いた列車にのってカンペルレまで行き、駅前のバス停から数時間のところにある、小さな村。
夕暮れの川辺には水車があり、こじんまりとした古いクレープリーからはあたたかくて甘い香りが漂っていました。そこのクレープリーでご主人が樽から陶器のカップに注いでくれたシードルの美味しかったこと!

味気ないわりに高いホテルに素泊まりして次の日の朝早く、シャペル・ド・トレマロめざして丘を登る。
霧のかかった緑の木立の向こうに白い馬が遊んでいる。
細い道をずっと登っていくと、まわりは小さな赤い実をつけたりんごの樹の林。
その先に見える石造りの小さな教会。
そしてその中には...(何があるでしょう?)







―ゴーギャンが数多く残したブルターニュの風景や村人の絵。
あの空気や緑の色合いはは私が110年後に見ても変わらなかったです。今もそうであって欲しい。


家に帰ってきて、昔画家をめざした母に美術館に行ってきたよ、と行ったら、恨めしそうに「ずるい。」と言われた。
大丈夫、11月28日までやってるから。
何度でもお供しますよ♪

アナナに
「今度はおりこうに出来るよね?」
ってきいたら、

「ママが抱っこしてたらね♪」

だって。
...16キロはかなり重いんですけどーっicon08!!  

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2010年09月30日

うちのアンティーク

Bonjour !

今日は雨がしとしと降って寒い日です。
こんな日は、ミルクにチコリを入れてよく煮出したチコリオレがぴったり。

穏やかな自然の甘さが優しく身体を温めてくれます。

お店用のブランケットもそろそろ新調したいなー、どこかに可愛いの売ってないかな...


こんな日はついつい家の中でまったりしちゃいます。

うちごはん用のフォカッチャがすくすくと発酵している間、いつもの机に座ってブログタイム。
横でアナナはレゴに夢中。
「うまのおうち」をせっせと作ってます。


今座っている机、実は拾ってきたもの。

5年程前、お店に行く途中、いつも通る近所のお茶屋さんの前になんだかとても可愛らしい古びた机が置いてありました。
テープで貼った画用紙に、「不用品」と太いマジックの字。
これは、是非手に入れたい。

こういう場合、けっこう大事なのは、その持ち主が手放そうとしている理由を思い浮かべつつ、もしかしたら中に何か住んでいるかも...とか、もらったらかなりボロボロだったから結局捨てに行かなきゃならないなんていうことを避けるために、遠目にちゃんと状態を見ること。
あと、自分のうちに持ってきたときに永く愛せるオーラがあるかというのも大事。
何か憑いてそうなものも避けなければ。
ある程度の家具補修だったら“シンゴ〈大工の息子〉シェフ”が直してくれます。

そういうことを鑑みても、その机はいい感じだった。

しかも、捨てようとしていた方がご近所さんで、その前後に引越し準備で色々荷物を搬出していたことを知っていたので、多分これはお茶屋さんをやめて家を建て直す為にモノを減らそうとしているんだろうな、と。

それで、いただいちゃいました。

もらってみたら、状態は素晴らしいとはいえませんでしたが、シンゴシェフによって補強修理を施され、キレイに磨かれて、ちゃんと《うちの机》に産まれ変わりました。
引き出しの奥に、宝物発見。
天秤の錘かな?













ちなみに今座っている椅子も拾ってきたものです。
これも近所のごみ捨て場に置かれていた。
『EIKICHI』と書かれていて、スリーナインのシールがかすれてついてるけど、手作りのとてもいい椅子です。
座面が広くてマイナス螺子に時代を感じさせます。

昭和の古い国産の自家用家具って、丈夫で、実用的で、風合いもいい。
律儀な日本人の測り加減とか、そういうごつさが魅力です。

うちの家具はそういうアンティークが多いのですが、他の家具もそれなりにストーリーがあります。



建具とかも、家を新築するからといって、みんな捨てちゃうのはもったいない。
うちも家を新しくしたばかりですが、要所要所に古い建具をあしらって、昔の柄入りガラスなんかもすごくいい風合いを醸しています。

ゴミにする前に、磨いてあげれば、一生モノとして使えるものってたくさんありそうです。



  

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2010年09月29日

行方不明のBONBON

Bonjour !

今日は朝から諸事情あって大物洗濯を3回もしなくてはなりませんでした...
物干し竿には白いシーツや布団カバーが気持ち良さそうにはためいています。
明日は雨らしいので、念を送る。  乾け~乾け~


さて、今日は「グランマと失われたボンボン」について。

うちの祖母は現在80とウン歳ですが、まだまだ元気でプールに行ったり編み物教室に行ったり、毎日アナナと遊んだり「鬼平犯科帳」観たり..と楽しく暮らしています。

その祖母に何度か聞いた思い出のお菓子の話。

戦前の話ですが、祖母が小さい頃、祖母の叔母が女子医大に通っていて、総のついた三角帽子をかぶって幼い祖母のところに来ると、必ずお土産にお菓子をくれたそうです。
祖母が《ねじりんぼう》と呼んでいたそのお菓子は、ロシア製のチョコレート菓子で、ねじった形のチョコレートの中に、甘いウォッカが入っている、大人の香りがするものでした。

よくあるボンボンは、砂糖をシャらせたものをコーンスターチなどに穴を開けた型に流して、少し周りが固まったところでまだ固まっていない液体を出し、砂糖の型を作ったところにリキュールを流し入れるものが多いのですが、祖母の言うそれは、チョコレートのみの筒状の型の中に、強いウォッカのシロップが入っていたそう。
しかも、太さが人差し指と親指で作った丸ぐらいだったようです。
(そんなの子供が食べて大丈夫なのか?)

それが、ヌガーみたいに紙と銀紙にくるまっていたそうです。

祖母はそれが大好きで、自分でも食べたいとあちこち探したけれど、見つからなかった...

しかし、その後思いがけない場所でそのお菓子に出遭ったのです。
祖母が通信部隊として行っていた中国のカイフウ(開封?)で、その懐かしいボンボンが売っているのを見て、祖母は嬉しくて10本位買ったのだとか。でもものすごく高かったらしいです。

日本に帰ってきて、戦争が終わって、それからそのお菓子は食べていないって言ってました。


今は、どこの国のどんなお菓子だって、家に居ながらオーダーして届けてもらったりすることができるけれど、昔は違いますからね~、それだからこそ好きなものに出逢った時の感動も大きいんだと思います。
やっと手に入れることができた!とか、とうとう好きな人に出逢えた!とか、そういう感じ。


私の姉も、私もどこかでそれを見つけることが出来ないかとあちこち探してはみたのですが、未だに見つけられず。

たぶん輸入品として入って来ないのには原因があると思う。
まず、考えただけで原価が高そう...→売値も高い→手間賃、税その他で日本での売値もさらに高い→商品リストに加えない、みたいな。もしくは、チョコレートのみの型なので、温度管理が必要&けっこう破損がある→輸入商品リストに加えない...なんて感じかも。
もしくは、祖母が食べていた時点で、作っていた人はかなりのおじいちゃんで、亡くなってしまった→その美味しさを再現できる後継の職人がいなかった→やむなく店をたたんだor時代的に、戦争の影響で贅沢品のお菓子が作られなくなった、そんなこんなでもうそのお菓子は存在しないのかも。


技術的にそんなに複雑なお菓子ではないので、私がどうにか同じような形の同じようなお菓子を作ってあげることはできるかも知れない。同じように、紙と銀紙でくるんであげてもいい。

でも、それはしないほうがいいような気がします。


...祖母が、〈おばあちゃん〉ではなく、幼い少女だった頃の思い出が、いっぱい詰まったお菓子だから。


  

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2010年09月20日

貝便り

Bonjour !

先日ウェールズに住む友人から手紙が届きました。
夏が来ない(?)ウェールズを抜け出して、フランス・ブルターニュで夏休みのしめくくりにホットサマーを満喫したそうです。
同封されていたのが、紙にくるまれた小さな貝がら。


彼女はフランスの料理学校時代の友人で、寮の部屋が同室で、スタージュ(研修)先のパティスリーも同じブルターニュでした。私がLORIENTで彼女がVANNNES。
色々話したいことがあったのに、スタージュをしていた頃はやたらフランス国内でストをやっていて、電車も動かないし、手紙もなかなか届かないし、電話も通じない。

晩秋のブルターニュのどんよりとした空の下、浜辺に行って、海藻だらけの砂浜を歩いていたら、なにか光るものがある。
拾ってみたら、黄色い巻貝。
乾くと卵の黄身みたいな、コーンみたいな色になります。

私はそれを拾って、ヴァンヌに送りました。お互い悩みがあったので、それを文字として書くよりも、
「元気貝?」
ぐらいの感じがいいかな、と思って。

その手紙はすぐに届いて、しかも電話で「まきちゃーん、元気ー?」って返事が来ました。
そして電車もまた動き出して、次の週にやっと会えることになりました。

せっかく久しぶりに会えたんだから、とロリアンの一つ星☆レストランに行って、豪華に生牡蠣のプラトーを頼みました。薄い青緑の小ぶりの牡蠣は、ほんとうにめちゃくちゃ美味しかった!たぶん、シャブリかなんかも飲んだ気がする。

そして...牡蠣にあたってしまった。

後から聞いたところでは、彼女と私は次の日それぞれ仕事に行って、お昼に別々の町で偶然にもクレープリーでランチを食べ、その後すぐ、発症したのです。それから各々一週間寝込みました。
あのときは、ほんとうに死ぬかと思った。
目が覚めると、夕方になってたり、夜になってたり。朦朧としながら、

「あっちゃんも同じぐらい食べてたよなー、大丈夫かな...」

と心配してました。
その2週間ほどで、料理学校の時に得た分の体重が全部落ちて、その後無事に仕事に復帰できたのですが...

もろもろの思い出が、この黄色い貝を見る度によみがえってきます。
ほんとうはちゃんとした名前があるんだろうけど、私達のなかでは、〈元気貝〉と呼んでいます。


しかし今思えば若いときの悩みって......。

お互い母親ですから、今なら笑いとばしちゃうかもしれない。


  

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2010年09月15日

ハルキスト

Bonjour !





今年の夏は暑くて長かった...
でも、海水浴にも3回も行ったし、色々楽しい思い出もつくれました。

秋、といえば『食欲の』、とともに『芸術の』、そして『読書の』秋ですね。

考えただけでワクワクして、ちょっと長い長編にも挑戦したくなる。

読みかけで寝てしまうことができないたちで、子供が生まれたばかりのときにシンゴシェフが 

●『千一夜物語』マルドリュス版全13巻(岩波文庫)

を買ってきてくれたので、アナナが寝ているときにちょっと読み始めたら、これがもうやめられない。
ただでさえ睡眠が足りない時期なのに、あの香り高いアラビアン・ナイトの世界にいったん足を踏み入れたら、なかなか現実の世界に帰ってこられなくて、あの時は目の下にクマがくっきりできていたと思います。
あれはあれで、慣れない子育ての疲れを取るのに有効だった気もするけれど。


セルバンテスの『ドン・キホーテ』とか、『シェークスピア全集』なんかもこの歳であらためて読むと色々な教訓があって深いなぁ、と思うし、仏教聖典から、アメリカの近代の作家から、遠藤周作、ミシマ、..読み始めて乗ってくると、チェーン・リーディングになります。

うちは、シンゴシェフとともにハルキスト。

彼の作品はエッセイも含め全作読んでいるし、そのうちの6作くらいは10回くらい読んでるかも。
当然そのなかに出てくる本も読むわけで、そうなると、家の本棚がパンパンになってきてしまいます。
でも、やめられない。

村上春樹作品は、食べ物の描写がわざとらしくなく、かつ美味しそうに書かれていて、
『羊をめぐる冒険』羊男が帰ったあとに〈僕〉が頭を整理するために作ったハンバーグとか、
『スプートニクの恋人』ギリシャのレストランで注文する大きな鉢に盛られたギリシャ風サラダにグリルした大ぶりの白身の魚、とか、あとはよく主人公の〈僕〉がありあわせの材料で作る普通のごはん(わかめとねぎの味噌汁とおひたしとか)も、缶詰のスープとか使っててもおいしそうに感じてしまいます。

不思議なことに、読むほどにその物語のその部分が何を意味してるのかとか、新しい感想があります。
ミクシイのコミュ二ティに投稿されているような的を得た評論はできませんが、そういう思いを共感できるのも、楽しい。

最近、読書会とかそんな感じのテレビ番組とか、ほんとに色々ありますが、うちも二人で同じ本を読んでいてひっかかる部分がけっこう似ていてそういう話で盛り上がるので、こういうのが流行るのもわかるなーと。


次の作品が、待たれます。

『ノルウェイの森』、シンゴシェフは絶対映画は嫌だって。私は行きたいのになー...

とりあえず、「ぷるーすと」でも手に取ってみましょうか。







  

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